ドラフト

2023年ドラフト結果 球団採点(阪神編)

2023年ドラフト1位指名結果

■1位結果

選手 指名チーム 来季戦力予想
常廣 羽也斗(青山学院大/投手/右投右打) 広島楽天
西舘勇陽(中央大/投手/右投右打) 巨人、日本ハム
下村 海翔(青山学院大/投手/右投右打) 阪神
武内 夏暉(国学院大/投手/左投左打) ヤクルト、ソフトバンク西武
度会隆輝(ENEOS/外野手/右投左打) 中日DeNAロッテ
横山 聖哉(上田西/内野/右投右打))
オリックス

太字は事前指名公表。

■外れ1位の結果

前田悠伍(大阪桐蔭高/投手/左投左打)  楽天、ソフトバンク、日本ハム
草加 勝(亜細亜大投手/右投右打)) 中日、ロッテ
西舘 昂汰(専修大/投手/右投右打) ヤクルト

■外れ外れ1位の結果

細野晴希(東洋大/投手/左投左打)  日本ハム、ロッテ
古謝 樹(桐蔭横浜大/投手/左投左打)  楽天

■外れ外れ外れ1位の結果

上田 希由翔(明治大/内外野/右投左打)
 ロッテ

阪神の指名

1位 下村 海翔 右投投手 青山学院大
2位 椎葉 剛 右投投手 徳島インディゴソックス
3位 山田 脩也 右打内野手 仙台育英高校
4位 百崎 蒼生 右打内野手 東海大熊本星翔
5位 石黒 佑弥 右投投手 JR西日本
6位 津田 淳哉 右投投手 大阪経済大
成1位 松原 快 右投投手 富山GRNサンダーバーズ
育成2位 福島 圭音 左打外野手 白鴎大

■阪神ドラフト採点(85点)

1位:下村 海翔(青山学院大

1位で下村投手を一本釣りで指名しました。今年は大卒投手が豊作で1位で8人が指名されました。その中で、常廣、武内、西館が事前指名されていたので、評価としては4番目あたりの人気だった投手です。成績は他投手と遜色なく、MAX球速も155キロ、制球という点では1、2番を争います。

ただ他投手と比べて低身長というのが少し評価が低かった原因かもしれません。また2020年に受けた肘の手術も懸念事項にあったのかも知れません。

阪神が指名した要因には、今年同じく175cmの村上投手の活躍が大きかったのではないでしょうか。近年獲得している右投手は大柄な投手が多く、高身長でないと大成しないというのがフロントにあったと思います。それの見方が変わったということでしょうか。それとも岡田監督の意見が優先されたのでしょうか。

その村上投手と共通しているのはカットボールの精度です。後はストレートでファールが取れれば初年度から1軍で投げると思います。場合によっては先発ローテに加わるかも知れません。沖縄キャンプで結果を出せば、去年の村上のように、開幕はリリーフ要員で1軍登録、開幕で先発投手が出遅れた場合にチャンスが巡ってくると思います。右腕ローテーション枠の一つを西純、森木あたりと争うのかなと思います。

来年は大卒ドラ1投手8人のうち、誰が活躍するかによって順位に影響しそうです。セリーグが全員右腕、パリーグが全員左腕に分かれたのも意外でした。

下村の成績を見ると制球力が良いのがわかります。奪三振率が少し低いので、追い込んでからの決め球を磨く必要があると思います。

※阪神の村上投手の大学での与四球2.24、 K/BBは3.76、奪三振率8.44なので、村上選手よりは低い数値です。上回っているのはMAX球速です。この値は小柄な投手としては稀有な数字です。おそらくフィジカルが強いんだと思います。

チーム 投手 スピード(MAX) 制球(与四球率) 制球(K/BB) 決球(奪三振) 特徴
広島 常廣 羽也斗 155キロ  3.23 2.46 7.96 フォーク
巨人 西舘勇陽  155キロ  4.31 2.17 9.37 クイック
阪神 下村 海翔  155キロ  2.43 3.12 7.57 カット/身長174cm
西武 武内 夏暉  153キロ  2.49 3.04 7.56 インサイド制球
日本ハム  細野晴希  158キロ  5.18 2.14 11.11 スピード
楽天 古謝 樹  153キロ  3.97 2.02 8.01 腕隠しフォーム
中日 草加 勝 153キロ   1.95 4.14 8.07 スタミナ
ヤクルト 西舘 昂汰  152キロ  3.94 1.36 5.34 高身長

◾️直近5年大社卒ルーキー先発投手の初年度成績

年度 投手 試合数 勝利 敗北 セーブ 完投 防御率
2023年 荘司 康誠 19 5 3 0 0 3.36
2022年 赤星 優志 31 5 5 0 0 4.04
2021年 伊藤 大海 23 10 9 0 1 2.90
2021年 伊藤 将司 23 10 7 0 1 2.44
2020年 早川 隆久 24 9 7 0 1 3.86
2019年 森下 暢仁 18 10 3 0 2 1.91
2018年 上茶谷 大河 25 7 6 0 1 3.96
2018年 松本 航 16 7 4 0 0 4.54
2017年 東 克樹 24 11 5 0 1 2.54
2016年 濵口 遥大 22 10 6 0 0 3.57
2016年 山岡 泰輔 24 8 11 0 2 3.74
福太郎
福太郎
一年目に10勝を上げるルーキー投手は1年に1人程度ですね。去年、一昨年はいません
福郎
福郎
球速と制球、それに洞察力と器用さがないと難しそうじゃな
福太郎
福太郎
そうですね下村選手のルーキー年の成績予想は、2022年の赤星投手をベンチマークとして考えた方がいいかも知れませんね
福郎
福郎
体型とカットボールと制球が武器なところは同じじゃからのう。何か他に上積みはあるかのう
福太郎
福太郎
パークファクターが有利な甲子園球場を本拠地に投げられるというの大きいですね
福郎
福郎
侍ジャパン大学代表戦での活躍を見るとマウンド度胸は据わっていそうじゃ。クレバーな面は村上と似ているので、ひょっとするとルーキーイヤーから勝ち星を伸ばしそうな気がするのう。それに岡田監督が好きそうな投手じゃから、キャンプ、オープン戦で結果を出せば秘密兵器としてローテーションに入れるかも知れん
福太郎
福太郎
開幕は怪我がなければ1軍枠に入るような気がします。ロマンはないですが成績でファンを喜ばしてくれる投手になりそうです

2位:椎葉 剛 ( 徳島インディゴソックス )

ドラフト2位で獲得したのは独立リーグで今年MAX159キロを計測した椎葉投手になります。

福太郎
福太郎
こっちはロマンの塊の投手です、まだ投手として活躍し始めて1年しかたっていません。球速が筋トレで15キロ以上伸びたようです
福郎
福郎
150キロを投げる投手いるが、155キロ以上は稀じゃからのう、今年いたケラーのような投手を考えば良いかのう
福太郎
福太郎
阪神の久保田コーチに近いですかね
福郎
福郎
後は制球力と決め球かのう、2位で獲得するのは独立リーグでは異例なので、速球に質が良いんじゃろうな
投手 スピード(MAX) 制球(四球率) 制球(K/BB) 決球(奪三振) 特徴
椎葉剛 159キロ  6.94 1.74 12.09 スピード

他球団も上位で指名を考えていた投手です。オリックス、西武が狙っていたので間違いはないと思います。一位指名が安定の下村だったので、指名できたのではないでしょうか。沖縄キャンプでどういう投球するか興味深いです。

3位:山田 脩也 ( 仙台育英高校 )

3位指名は甲子園大会、WBSC U-18で活躍した山田選手となりました。甲子園大会では主将、WBSC U-18では副主将としてチームをまとめたリーダシップもある遊撃手です。遠投105m 50m6秒1と肩足があり守備も上手いです。打撃の方もパワーはまだないですがミート力はあります。筋トレで体が大きくして3年後、小幡選手と勝負でしょうか。

去年ドラフト3位は高卒の井坪が2軍戦で打ちまくったのですが、打撃を売りにする選手ではないと思うので、守備を鍛えて守れる選手になって欲しいですね。再来年から2軍も新球場になり、良い環境で練習ができるので3年後ぐらいにショートのレギュラーを狙う選手になって欲しいです。

4位:百崎 蒼生 ( 東海大熊本星翔 )

4位指名は高卒の遊撃手の百瀬となりました。こちらは守備というよりは打撃が売りの選手です。遠投105m 50m5秒8 通算39発本塁打と去年の井坪選手のスペックに似ています。遊撃手ですが、入団会見で守備が苦手と言っていることから、早めにサード、セカンドもしくは外野へのコンバートが考えられるんではないでしょうか。会見を見ていると、おとなしい性格ではないようなのでプロ向きかなと思います。高校一年時代にチームでうまくいかず、転校してからドラフトにかかるという部分も強い意志を感じます。ただ自己主張を押し通すと日本では軋轢も生まれるので、そのところは気をつけた方が良いかなと思います。

近年のドラフトで中位で獲得した野手は好走守のどれかで圧倒的な数字を出さないと上がれないので。まずは2、3年体づくりをして打力を伸ばして欲しいと思います。遠藤選手、高寺選手、戸井選手、山田選手と内野手のライバルは多いですが頑張って欲しいです。

それにしても大社卒内野手を獲得しないの徹底してますね。高卒野手にフタをしないのは他の球団と違って姿勢が素晴らしいです。現在バックアップの二遊間は小幡選手以外では代走の選手しか見当たらないので、もし誰かがコケた場合は1軍に上がるチャンスがあります。そして守備、打撃、走塁のどれかで小幡選手を超えていれば、スタメンの可能性があります。

高卒野手2軍打撃成績(打率/本塁打)

選手 ドラフト年 2019 2020 2021 2022 2023 2024
小幡 2018年 .225 .288 .287 .331 1軍  
井上 2019年 .226(9) .267(9) .222(11) .234(11)  
遠藤 2019年 .157 .235 .227 .270  
高寺 2020年 .162 .280 .260  
前川 2021年 .250 .320 1軍
戸井 2022年   .144  
井坪 2022年   .248  
山田 2023年      
百崎 2023年      

まずは二遊間なので守備の安定ですが、打撃成績の経過を見ると3割を超えれば1軍に上がれる可能性があります。この5年間、高卒選手で初年度に3割を打った選手はいません。今年前半、井坪選手が3割をキープしていたのですが、1軍に上がる前に後半バテて下げました。

来年のドラフトは遊撃手に明大の宗山選手という超目玉がいます。阪神のドラフト傾向では来年は野手、それも大卒を狙う年になっています。

この順位で広陵の真鍋選手が取れました。にもかかわらず百崎選手指名したという事は、初めから真鍋選手の指名はなかったという事でしょうか。4年後、大商大に進学した真鍋選手と、4年後の百崎選手の比較が楽しみです。

5位:石黒 佑弥 (JR西日本)

5位で獲得したのは社会人から右投手です。左腕投手は豊富なのですが、高卒の右投手が不調ということもあり社会人からの獲得となりました。去年もドラフト候補に上がっていた投手で高卒社会人4年目の選手になります。

Maxスピードが152キロでクイックが得意の投手です。決め球に縦スライダーがあるので、中継ぎ投手として早い時期から活躍するんではないでしょうか。

直近10試合の成績指標は非常に良いです。

投手 スピード(MAX) 制球(四球率) 制球(K/BB) 決球(奪三振) 特徴
石黒 佑弥 152キロ 1.8 4.63 8.34 縦スライダー

6位:津田 淳哉 (大阪経済大 )

津田投手はオーバーハンドで投げ下ろすフォームでMax152キロの投手です、今年急成長した投手です。上から投げ下ろすフォームは阪神の湯浅を彷彿とさせます。スライダーを得意としているようですが、フォークを磨けば救援投手として投げられれる思います。

直近10試合の成績指標は以下です。

投手 スピード(MAX) 制球(四球率) 制球(K/BB) 決球(奪三振) 特徴
津田 淳哉 152キロ 2.07 2.66 5.53 スライダー

阪神でコーチをしていた高代氏が監督をしているチームからの指名です。

育成1位:松原 快 (富山GRNサンダーバーズ)

育成1位は独立リーグからの指名です。スリークォーターのスライダーが武器の投手です。Max156キロと球速があり、三振を取れるスライダーとシンカーがあります。後はストレートがプロで通用するかですね。

奪三振の指標が良いですね。この投手意外と早く支配下登録されて1軍デビューすると思います。

投手 スピード(MAX) 制球(四球率) 制球(K/BB) 決球(奪三振) 特徴
松原 快 156キロ 5.55 2.02 11.23 スライダー/シンカー
この投手の担当が湯浅選手と同じ筒井スカウトです。同じ富山GRNサンダーバーズからの指名ということもあるので期待感はありますね。

育成2位:福島 圭音 (白鴎大)

育成2位は白鵬大学からの指名となりました。大山の後輩ですね。足が非常に早い選手で今年春の大会で9試合で20安打20盗塁の離れ業をやってのけました。肩も強くセンターを守れる選手なので2軍で結果が出れば、すぐに支配下になるんではないでしょうか。それには1年目から2軍で3割以上打つような事をしないとポジションは掴めないと思います。もしできれば島田のポジションを奪って1軍枠に入れます。

2025年2月に兵庫県尼崎市の大物に2軍新球場ができます。来年は育成選手を10人ほど取って3軍制を引いたほうが良いですね。オリックスは育成選手から毎年すごい投手が現れています。3軍制を引くと1年で3億円必要なそうですが、FA選手に3億円払うなら、そちらの方が良い気がします。オリックスは今年も育成投手の活躍があります。阪神の育成力をもってすれば同じことが可能となるので、投手王国にすることができそうです。

まとめ

阪神の今年のドラフト補強ポイントを以下でした。

  1. 右もしくは左の抑え投手。球が150キロ以上で、決め球がある即戦力投手

→ドラフト1位下村、2位椎葉、4位石黒、5位津田、育成1位松原と5人の即戦力投手を獲得しました。十分な補強だったと思います。

  1. 足の速い外野手。強打の高校生内野手

→3位で山田、4位で百瀬、育成2位で福島といい補強だったんではないでしょうか。ただ4位で高校生捕手ナンバーワン評価だった堀が獲得できたので、なぜ獲得しなかったのかと思います。百崎はオリックスが既に同じ高卒ショートの横山を獲得していたので指名はなかったと思いますが。5位で捕手の寺地でも良かったと思います。

  1. 肩が強い高校生、もしくは大学生捕手

→今年は獲得できませでした。捕手は獲得する気がなかったようです。

  1. 高身長の球の速い投手、左投手でシュートが決め球の投手

→今年は獲得できませんでした。

補強ポイントの1、2をうまく補強できたと思います。3の捕手と左腕投手は補強できませんでしたが概ね満足のいける補強だったんではないでしょうか。下位に身内推薦の選手が入っているのが少々気になりますが、活躍すれば成功になると思います。

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背番号予想&来年飛躍しそうな選手

2023年ドラフト選手

ドラフト順位 名前 背番号予想 守備位置 2024年1軍期待値
1位 下村 海翔 19 投手
2位 椎葉 剛 26 投手
3位 山田 脩也 52 内野手
4位 百崎 蒼生 56 内野手
5位 石黒 佑弥 63 投手
6位 津田 淳哉 66 投手
育成1位 原 快 123 投手
育成2位 福島 圭 126 外野手

2軍選手

ドラフト順位 名前 背番号予想 守備位置 2023年1軍活躍期待値
2022年2位 門別 30 投手(左)
2022年3位 井坪 40 外野手
2022年6位 冨田 50 投手(左)
2021年1位 森木 20 投手
2021年2位 鈴木 28 投手(左)
2021年4位 前川 58 外野手
2021年5位 岡留 64 投手
2021年7位 中川 68 捕手
2020年4位 榮枝 39 捕手
2020年7位 髙寺 67 内野手
2020年育成 岩田 93 投手(左)
2019年2位 井上 32 外野手
2019年3位 及川 37 投手(左)
2019年4位 遠藤 45 内野手
2018年5位 川原 127 投手(左)

移籍選手

ドラフト順位 名前 背番号 守備位置 2023年1軍活躍期待値

外国人選手

ドラフト順位 名前 背番号予想 守備位置 2023年1軍活躍期待値
2017年のMLBドラフト30巡目(全体895位) ビーズリー 49 投手
ミエセス 44 外野手
2013年のMLBドラフト38巡目(全体1150位) ノイジー 31 内外野手

 

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